みつめる21より
●人気校の応募者の推移
先の震災の影響は大きく、ほとんどの私立小学校・国立小学校で応募者を大き
く減らすことになりました。
しかし、それ以前に少子化や経済情勢などがあり、徐々に私立小学
校へ行かせたいと思う家庭は減少傾向にありました。
人気難関校のこの5年間の応募者の推移をご紹介します。
(学校名)⇒(2008)⇒(2009)⇒(2010)⇒(2011)⇒(2012)の応募者数
慶應幼稚舎 2468→2403→2104→1944→1649
早稲田実業 1476→1527→1309→1234→1081
青山学院 457→ 462→ 576→ 570→ 423
学習院 736→ 918→ 792→ 614→ 652
桐朋学園 753→ 629→ 600→ 580→ 506
立教 520→ 658→ 565→ 513→ 428
日本女子大
424→ 491→ 406→ 316→ 251
このように見るとどの学校も5年前と比べると大きく応募者数を減
らしています。問題はこの数をどう見るかだと思います。
ちなみに、上記7校の昨年の倍率を算出してみましょう。
慶應11.5倍 早稲田8.6倍 青山4.8倍 学習院8.2倍
桐朋学園7.0倍 立教3.6倍 日本女子大4.2倍
この倍率を見て、慶應幼稚舎を入りやすい学校だと思う人は誰もいない
はずです。中学受験の難関である開成中学の昨年の倍率は3.9倍、桜蔭
中学は2.1倍でした。どの小学校の倍率を見てもまだまだ楽に入れるとは
いえない状況です。
●中堅校は震災の影響を大きく受ける
一方、第一志望者に比べて併願校として受験する層が多い学校は大き
な打撃を受けたところもあります。
昨年に比べて応募者が半減近いというところもありますが、それ以上
に苦労したのが、合格者(補欠を含む)をどれだけ出すかというところで
す。第一志望者ばかりではありませんから、合格しても辞退する人の数
を計算に入れて合格を出さなければならないのですが、この数を読みち
がってしまい、追加募集をかけざるを得なかった学校も少なくありませ
んでした。
●AO入試、推薦入試は成功か
昨年の小学校入試ではAO入試、推薦入試の導入もひとつの動きとし
てありました。結果についての分析はまだ不十分ですが、推薦導入の結
果一般入試の応募者が激減した学校もあります。第一志望者がある程度
見込める学校には、合格後の手続き者が読みやすいという利点はありま
すが、導入が成功かどうかは震災の影響も大きく、1年の結果だけでは
判断できません。今後2・3年の動向を見ないとなんともいえませんが
志望校が推薦入試を実施している、もしくはする場合、積極的に活用す
るべきでしょう。
●2013年度の入試予想
これらを踏まえると、今年の入試は次のような予想ができます。
・いわゆるお受験ブームは終了しつつある。ただし、15年前の水準に戻
ったと認識するのが妥当で、人気校はあいかわらず難関であり続ける。
・その一方で、中堅校は受験者確保、第一志望者の取り込みのためにい
ろいろな手を打ってくるはず。先の推薦入試もそうだし、複数日程の入
試の実施などがあると思われる。より魅力のある学校へと新たな特色を
打ち出す学校も出てくるだろう。
・受験する側からすると、第一目標校はともかく、併願校の受験は以前
より入りやすくなるだろう。学校側もよりよい教育を標榜すると見られ
る。名前で判断するのではなく、実際に学校を見て、我が子を預けるに
足る理想の学校探しを積極的にするべきだろう。